「NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方」を読んだ
前記事で Netflix の人事戦略のレビューを書きましたが、今回はベースキャンプ社 (旧37signals) という会社の働き方の本を読みました。
この会社、エンジニア界隈の人は知っている人が多いと思います。同社が書いたこちらの本『小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則』は当時話題になり、その開発手法に影響を受けた会社が出てきたりもしました。
またかの有名な Web アプリケーションフレームワークである Ruby on Rails 作者の DHH 氏が CTO を務める会社でもあります。
本書ではカーム (穏やか) という単語が何度も出てきます。カームな働き方を推奨し実践していると書いています。 カームな働き方の特徴とは以下のようなものです。
カームとは、人びとの時間と集中力を守ること。
カームとは、一週間あたりの労働時間を約四〇時間におさめること。
カームとは、現実的な見込みを立てること。
カームとは、充分な休日があること。
カームは、比較的小さい。
カームは、くっきりみえる境界線。
カームは、会議を最後の手段とする。
カームは、まずはメールなどの受動的なコミュニケーション・ツールで、その次にリアルタイムでコミュニケーションを取ること。
カームとは、みんなが独立していて、相互依存が少ないこと。
カームとは、息の長い持続可能な営み。
カームは、採算性が高い。
(「はじめに」より)
長時間バリバリ働くとか、顧客の問い合わせへの尋常なくらい速いレスポンスとか、社内チャットですばやく対応するとか、そういう働き方はクレイジーでありベースキャンプでは行っていない働き方なようです。
その反対側のカームに行くためにはやることを減らして、一つのタスクに集中しよう、そのための環境づくりをしようということに重点を置いています。
例えば、定例会議をしないとか、長期に渡る予測しにくい事業目標は作らないとか、社員の集中を削がないようチャットツールは使わないとかです。
全体的に、とにかくシンプルに考えてやっていきましょうね、という感じの内容でした。
早川書房
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LastMod 2019-05-09