スコット・ギャロウェイ (著), 渡会 圭子 (翻訳)
東洋経済新報社
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書店に平積みにされていたのでなんとなく読んでみた。

GAFA とは Google, Amazon, Facebook, Apple のそれぞれ頭文字を取ってつけた造語だ。 それらを四騎士に例え GAFA 以前の世界と GAFA 以後では世界が大きく変遷したというのが書いてある。

GAFA それぞれで章を割いて説明しているが正直あんまり驚きや発見はなかった。

Amazon のことなら『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』を読んだらいいし、Googleなら『How Google Works』を読めばいい。 Facebook と Apple は知らない。

ただいくつかピックアップしたい部分もあったので書いておく。

the four GAFA

Amazon | 1兆ドルに最も近い巨人

ベゾスはアマゾンがリスクを承知で行う意思決定を2つのタイプに分けている。①取り返しがつかないもの(「これが会社の将来だ」)②引き返すことができるもの(「これはうまくいっていないから、やめよう★50」) ベゾスの見解によると、アマゾンの投資戦略のカギは、②のタイプの思い切った冒険を数多く行うということだ。そこには空飛ぶ倉庫やドローンを弓矢の攻撃から守るシステムなども含まれる。どちらも特許を申請している。

スコット・ギャロウェイ. the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.898-905). Kindle 版.

Amazon の時価総額があれほど高いのはこうしたベゾスの投資戦略によるところが大きいのだろう。そしてベゾスが言うなら投資家もまた信じてしまう。

アマゾンがアレクサを通した販売を推し進めようとしているのは明らかだ。多くの商品で、クリックではなく音声で注文した場合のほうが価格を安くしている。 電池のような重要なカテゴリーで、アレクサは自社のプライベート・ブランドであるアマゾン・ベーシックのものを勧める。サイトに他のブランドがいくつかあっても、その選択肢は教えない(「申し訳ありません。ほかには見つかりません」)。 アマゾンではほかのブランドの電池も扱っているが、ネット上の電池の売上げは、アマゾン・ベーシックが3分の1を占めている。

スコット・ギャロウェイ. the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1231-1236). Kindle 版.

これはちょっとびっくりした。確かにアレクサで注文するような顧客がわざわざ他社サイトと比較して安い商品を購入するとは思えない。 自社のプライベートブランドの販売戦略としてこの方法を取れるのはもはや Amazon しかいないだろう。(GoogleはECプラットフォームではない)

Facebook | 人類の1/4をつなげた怪物

「社員がたった13人の企業に10億ドルも出すのか?」という嘲笑を浴びながらも、ザッカーバーグは意志を曲げずにインスタグラムを買収した。 その結果、支払った金の50倍以上の価値を生む資産を手に入れた。インスタグラムに対する評価はどうあれ、この20年で最高の買収だったと言っても過言ではない

スコット・ギャロウェイ. the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2714-2718). Kindle 版.

Facebook 自体が若者離れで低迷する中、札束を叩いての買収でこれだけ成功するのもめずらしい。 コミュニケーションが重要なプラットフォームサービスでうまく独立性を保ってよく買収できたなぁと感じる。

GAFA「以後」の世界で生きるための武器

第6章以降は GAFA 個々の話しとは別の話しが展開していく。中でも第10章の内容は GAFA 以後の世界でどうやって我々は生きていけばいいのかというちょっと壮大なストーリーになっている。

有名大学を中退せずに(我々はザッカーバーグではない)卒業し、都会にでて交流を絶やさず、会社に入れば報酬に株を組み込み、好きなことではなく得意なことに打ち込め。

とまぁ、耳が痛い話しだが真っ当に生きよということを言っているのだろう。スタートアップは万人向けではないのだ。