「我思う、ゆえに我あり」という有名な言葉を残したのはフランスの哲学者デカルトだ。批判することなく受け入れてきた先入観を排除し全てのものを疑うことから始まった。

僕は好奇心旺盛な人間で情に流されやすい、また人から嫌われたくないから当たり障りのない発言をし自己主張が少ない。そんな僕なのでよく騙される。幸いにも金銭的にトラブルになるほどの事態になったことはないが気をつけないといけないと常々思っている。

そんな僕なので少しは人の感情を理性的に理解しようという目的で、時々、ネットワークビジネスに関わるようにしている。いくつかのネットワークビジネスに参加することで経験則として学んだことがある。ここではネットワークビジネスが違法かどうか、儲かるかどうか、新しい手法についてなどを論じるつもりはない。そこらへんはググったらたくさん出てくるのでそっちを参照して欲しい。

些細な違いはあるけれど世の中のネットワークビジネスは、人脈を金に変えるという性質をもっている。商品が介在しているタイプなどはそうではないと主張するかもしれないが、結局は商品の売上が増えないと会社に利益がなく会員に還元されない。会員に還元させることで成り立つビジネスなのにそれができないとなるとビジネスモデルとして終わりだ。会員を増やすという目的がどうしても優先されてしまうため「人脈を金に変える」ということに行き着いてしまう。

さらにネットワークビジネスは価値を産まない。経済を成長させるためには新しい価値を創造していかなければならない。すばらしいプロダクトを産み出すことで相互作用し経済が発展する。しかしネットワークビジネスはそれができない。なぜなら会社が価値を産み出すのに必要な資金は少なからず会員に還元されるからだ。

この「価値を産み出すことが本質的に難しいサービス」という点が僕がネットワークビジネスを好きになれない理由だ。経済的自由を謳って儲ける方法を提唱する人に対しては「新しい価値を世の中に産みだしているか?」という視点でみてみるといいだろう。