人間はよく考える生き物です。なぜ生きているのか、幸せとはなにか、そういった普遍的な問いに対して様々な解答がなされてきました。とりわけ仏教の説く思想は他の宗教と大きく違うと言われます。 そこでお釈迦様オリジナルの説法を脳科学の視点からみるとどうなるのか知りたくて本書をとりました。ですがこれは脳科学の本ではなく、仏教に関するうんちくの本です。うんちくと書くと聞こえが悪いですが、ようは歴史的経緯とその解釈を加えたものです。

苫米地さんの本なんで想像はついてましたので問題なしです。

いくつか興味深い内容についてピックアップします。

人は「あの世」について知りたがる。釈迦は死後の世界はありませんと断言したわけではないが、そういった形而上学的問いに対しては、「それについては答えない」と言っている。本意は死後の世界について考えても無駄なので今を生きなさいとおっしゃっている。
葬式は仏教で行うべき儀式ではない、戒名も死後授かるのではなく、生きている間に仏弟子=菩薩になるために授かるものだ。
スピリチュアル、霊の存在、カルトなどが絶えないのはそれがお金を産むビジネスになるから。しかも死んだ人間が「あの世はなかった」などといって訴えられることもない、嘘つき放題のビジネスだ。
煩悩はなくすのではなくコントロールする
瞑想は何も考えないのではなく、自分の感覚や思考を純粋に観ることである。止観瞑想とよばれる。
悟りは論理ではなく感覚で得られるもの

「空」の思想なども面白いと思いました。